2017年度 勇美賞受賞者

タイトル 医療的ケアを必要とする重症心身障がい児の父親が在宅での新たな生活を作り上げる過程
主たる研究者 上杉 佑也
所属先・団体名 公立大学法人三重県立看護大学 教員
選考コメント 医療的ケアを必要とする重症心身障がい児の父親に焦点をあてた貴重な研究である。父親の不安にも着目しており、その不安が自信の獲得により、安心に、さらにはゆとりにつながることを示した有益的な研究である。
報告書
タイトル 在宅医療と救急の円滑な連携を目指して:プレホスピタルケア(病院前救護)としての在宅医療に関しての研究
主たる研究者 遠藤 拓郎
所属先・団体名 聖マリアンナ医科大学 救急医学 助教
選考コメント 85歳以上では在宅医療を受けている超高齢者の搬送は、在宅医などにより回避されている可能性を示しているなど、大学病院救急医学のスタッフが在宅医療との関連を研究した有益な報告である。
報告書
タイトル 在宅医療の正確なアウトカム指標確立に向けた研究 ~法医学と在宅医療の連携~
主たる研究者 垣内 康宏
所属先・団体名 東海大学 医学部法医学教室
選考コメント 良質な在宅医療を標準化し、国民の安心や幸福に資することは、勇美記念財団が目指すところである。しかし、在宅医療の質評価の基準や指標はまだ確立されておらず、今後十分な議論を重ねていく必要がある。その論拠となる研究はこれから大いに進めていく必要があり、当該研究は在宅医療(療養・看取り)に関する興味深い研究である。
報告書
タイトル A市における介護保険認定者の新規申請5年後の変化 2006・2007年度新規申請者における在宅者と施設入所者の5年後の認知機能等の比較
主たる研究者 國分 恵子
所属先・団体名 NPO法人日本認知症予防研究所 理事長
選考コメント 在宅ケアの質やアウトカム評価において、要介護者の状態変化を分析することは有用である。予後予測を行い、障害の進行や介護の手間を予防するための研究を進めるため、行政からの資料を利用した本研究は、優れた研究手法である。今後、同様な研究が増え、研究されることにより、エビデンスが増えることを期待する。日本在宅医療連合学会誌に投稿され、関連する研究が更に発展することを願う。
報告書
タイトル フードデザート問題の食生活者を対象にした栄養障害の実態把握および自助力を高めるための多機関、多職種の役割に対する検討
主たる研究者 森 亮太
所属先・団体名 医療法人八事の森杉浦医院 院長
選考コメント 栄養パトロールという手法に新規性があり、フードデザートの実態について適切に評価できている。栄養パトロールというプロアクティブな方法が、フードデザート対策の1つになることを明らかにしたインパクトの大きい内容である。
報告書
タイトル 日本小児在宅医療臨床実務及び人材養成についての調査研究
主たる研究者 楊 千慧
所属先・団体名 台湾在宅医療学会 副秘長
選考コメント 台湾の小児在宅医療の発展を切に望む申請者が日本の小児在宅医療の制度、歴史、長所・短所、台湾での現状把握、今後の展望など大変充実した報告書が提出されている。本助成にふさわしい内容の調査研究が遂行されており、評価できる内容である。
報告書